Interview インタビュー
吉本 圭介 Keisuke Yoshimoto
弁護士として業務を行う上で大切にしていることは何ですか。
「既製服を売る」のではなく「オートクチュールを仕立てる」こと
私は、企業様の事件、離婚や相続などの家事事件、その他民事事件を幅広く行っています。
離婚事件を例にとっても、その夫婦の歴史や、紛争の内容、依頼者様の思いなどは、千差万別です。ですから、よりよい解決を図るには、まず、これらのそれぞれに異なる事情をしっかりとお伺いし、それに共感し、目指すべきゴールを共に考えることが最も大切だと思っています。服で例えれば、「既製服を売る」のではなく、しっかり思いを共有して「オートクチュールを仕立てる」ということです。
裁判などで相手の主張を見て、「相手の依頼者と弁護士は十分にコミュニケーションをとれてるんだろうか?」と感じることがしばしばあります。弁護士の仕事は、弁護士にとっては多くの中の一つかもしれませんが、依頼者様にとっては、人生の大きな岐路です。依頼者様の思いや悩みに寄り添い、オンリーワンの解決を目指しています。
顧問業務を多くされているとのことですが、その魅力は何ですか?
経営者様の”参謀役”として企業様の発展に貢献すること
私は子供のころ、個人事業主であった両親の姿を間近で見てきました。また、私自身も大学卒業後に小さなITベンチャーの起業をしました。このような経験から、中小企業様の経営には日々さまざまな経理、労務、契約、債権回収などさまざまな分野で悩み事が尽きないということを、”わがこと”として痛感してきました。現在もそうですが(笑)。
得てして経営者は、“孤独”です。戦国武将に例えれば、経営者は“大名”。そのような会社という“一国”を運営する上での悩みは、法的なもの、経理的なもの、人事的なものなど多岐にわたります。そして、このような悩みを包み隠さず胸襟を開いて相談できる人間は、なかなか社内にはいません。
弁護士は、法的な争いになれば、代理人として全力で法的主張を戦わせることはもちろんです。しかし、それ以前に、常に経営者様の“参謀”として、たとえ些細と思える悩みや問題でも相談に乗り、時にはお酒を酌み交わしながらでも悩みを共有し、会社様の健全な発展を支えるという点に、顧問業務の醍醐味があると思っています。
これまでの多数のご経験の中で、印象に残っている事件はありますか?
それぞれの事件にはそれぞれの印象が残っている
そうですね…それぞれの事件には、それぞれの思い入れがあるので、今ここで「これ!」とは挙げられませんね。全てといえば大げさですが、やはりそれぞれ印象に残っていますね。
ただ、オフの日とかに、昔の事件のことや依頼者様のことをふと思い出すことはあります。そういうときに思い出すのは、はじめは本当に絶望の淵の様な顔で来られた依頼者様が、最後にはすっきりして「先生に出会えて本当に良かった。全力を尽くしてくださった。」とか言ってくださった事件や、最初は難しいかなと思えた訴訟について何度も依頼者様と真剣に打ち合わせを繰り返して、いい結果に導けた事件などはすごく印象に残っており、思い出しますね。
何事においてもそうかもしれませんが、情熱を傾けてしたことはすごく印象に残りますし、私自身の成長にもつながります。
このように情熱を傾けて仕事をする中で、依頼者様にとってよい解決を重ねていきたいですし、私自身も弁護士としてさらに成長していきたいですね。
とても気さくな弁護士さんで驚きました。何か心がけてらっしゃるんですか?
コミュニケーションをしっかりとれることが大切
それ質問ですか(笑)?
これは、私の生まれながらのキャラクターですね。でも、こういう風におっしゃられるように、弁護士って、堅苦しくって、気難しいという先入観があるのかもしれません。でもね、やっぱり困っていたり不安でおられたりしてご相談に来られる依頼者様にとって、話しやすいとかわかりやすいとかいうのは、とても大事なことだと思っています。
「不安や心配はいっぱいある。でも弁護士に頼んだ以上、弁護士に任せた!」っていう気持ちになっていただけたら、最高ですね。私と打ち合わせするときは、一緒に真剣に考える。しかし、相談が終わると「後は頼んだよ!」って思っていただける。このような存在でありたいですね。
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